一定期間更新がないため広告を表示しています

二尺六寸こね鉢 さて、第一回目の今回は、こね鉢です。
こね鉢で一番使われている木材は、栃材です。栃の木とは、トチノキ科:広葉樹/散孔材で、日本各地に自生していますが、昔、ある山村でこの木を土地ぐるみで守ったことから、「土地の木」と呼び、それが栃の木の起源となったと言われています。
今から五千年前の縄文人も栃の器を使っていたといわれ、しかも漆を塗って使っていた様です。(三内丸山遺跡、鳥浜貝塚にて)
 当社では、この栃の木の材質を使い、七十年以上前から数多くの蕎麦屋に収めています。栃材は散孔材で導管が細くて不規則に散在していて、全般に均質かつ緻密なので感触がよく割れづらいという特徴があるので、蕎麦をこねるのに最適です。一尺七寸のこね鉢を作るのには二百年以上の樹齢でないと作ることが出来ません。近年では、2尺寸以上を制作する三百年以上の樹齢を誇る栃材は採れなくなりつつあります。栃の木断面ですので、栃材以外のこね鉢も増えつつあります。大まかに分けると、木製品とABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂製と木粉製です。それぞれの長所、短所がありますので、購入の際には説明をきちんと聞く事をお勧め致します。(左写真:栃の木断面)
 材質の他にも、水回しの仕方によって、こね鉢の使いやすい形が変わってきますし、蕎麦粉の量でも、サイズが変わりますので、自分の水回しのやり方や打つ量を把握しておくと、決めやすいと思います。ABS製や木粉の薄くて軽い物は、こね鉢台があるとしっかりした蕎麦を捏ねる事が出来ます。蕎麦屋さんでもステンレスのボールにこね鉢台を使用して使っているお店もありますから、ご家庭のボールから蕎麦打ちを始めても良いと思います。
 手入れ方法ですが、蕎麦粉を捏ねて、丸い塊をこね鉢から出した時に、濡れたタオルで蕎麦粉の固まったのを拭き取ります。この時の掃除がこね鉢を長持ちさせるコツです。 蕎麦粉は水で溶けますから、固まった粉は水に浸してから拭き取った方が、こね鉢に傷が付きません。 また、ABS製や木粉製に多くみられるウレタン塗りよりも漆塗りの方が傷付きにくく、丈夫で蕎麦との相性も良いのでABS製品や木粉に漆を塗ったものを購入するのも良いと思います。
コメント
コメントする