今回と次回は二回に渡って蕎麦包丁(二回連載)についてご説明します。
蕎麦庖丁?は、庖丁の大まかな材質と製法の説明。次回の蕎麦庖丁(2)は、庖丁の違いとまとめを解説したいと思います。
さて、蕎麦道具のコラム第二回目の今回は、蕎麦庖丁?です。
蕎麦庖丁で重要視されるのが、製作者の職人さんと鋼の材質の違いになります。
まずは、庖丁の鋼の違いについての説明を致します。
庖丁の鋼の大半は、島根県安来市の日立金属安来工場で、生産されています。JIS規格に比べて、更に不純物の少ない工場規格の鋼です。剃刀の刃で言えば、40%を超える世界シェアーを誇ります。蕎麦庖丁は、その中で、ステンレス製と鋼製の2種類があり、それぞれに1枚物鋼と付け鋼とに別れます。
『ステンレス製の1枚物鋼』は、鋼の中にクローム(Cr)を13〜15%入れる事により、錆びにくいと言う特徴があります。ただし、切れ味は鋼よりも少し切れ味が悪くなります。蕎麦庖丁の金額は5千円以下からと比較的安く、手入れも簡単な事から、初心者の方にお勧めをしております。ステンレスMV(ステンレスモリブデンヴァナジューム)は、サブゼロという製法で、ステンレスの錆びにくい特性を生かしつつ、1000度以上もの高温で焼きを入れた後、−70度前後で冷却を施すマルテンサイト化させたステンレス材です。錆びにくく、強靭な腰と鋭い切れ味を持ったステンレス鋼と言う特徴があります。蕎麦庖丁の金額は、1万円弱から2万円弱の価格帯で初心者から中級者までお勧めしております。
(写真:「ステンレス製の1枚物鋼の蕎麦庖丁 長さ300mm 重さ680g」価格帯が一番安い蕎麦庖丁です。切れ味と耐久性は、鋼製に比べて劣りますが、錆びにくい特徴があります。)
『ステンレス製の付け鋼』は、銀紙と呼ばれている鋼で、付け刃の包丁が持つ切れ味を保ちつつ、更にステンレス鋼の錆びにくい性質も持つ鋼です。軟鉄と硬鉄の二枚の鋼を一枚に鍛造することで、切れ味や耐久性に優れています。また、重さや包丁のバランスは職人さんの手によって製作するため、自由度が高いのも特徴です。蕎麦包丁の金額は、4万円以上の価格帯になりますが、手入れが楽な事から、蕎麦職人さんの方はもちろん、初心者の方にもお勧めしております。
『鋼製の1枚物』は、鋼の中でも一番安い鉄製の庖丁です。鋼の1枚物で、地金を鍛接せずに一枚の鋼材で鍛造や成型した鋼です。ステンレス鋼に代表される庖丁と同じ成型方法で、プレス機で打ち抜いてグラインダーで削って、仕上げ刃付けをした庖丁の事です。ステンレスMV鋼よりも切れ味が良く、耐久性も高くなるのが特徴ですが、ステンレスに比べると錆びが出やすくなる欠点もあります。蕎麦庖丁の金額は、1万円前後の価格帯で初心者から中級者までお勧めしております。
『鋼製の付け鋼』は、大まかに、黄紙・白紙・青紙に分かれます。鋼をなぜ紙に置き換えて呼ぶかと言いますと、出来あがった鋼は区別がつかなくなる為、職人さんが色紙を付けたのが由来です。黄紙に比べ白紙は、不純物のP(リン)やS(イオウ)の成分が減ります。更に青紙になるとCr(クローム)やW(タングステン)の成分が入りますので、後者になる程、耐久性と切れ味は増していきます。但し、あまり硬質になると欠け易くなる欠点も増します。付け鋼は、蕎麦職人で一番使われている程、切れ味と耐久性がすぐれているのが特徴です。
この付け鋼は、蕎麦庖丁を制作する職人によっても、切れ味と耐久性、庖丁のバランス、見た目すら変わってくるのも特徴の1つです。特に、鍛造で一本、一本を手作りで製作する付け鋼の蕎麦庖丁は、同じ紙質を使っていても、職人によって金額が数万円違ってくるのはこの為です。
鋼製の付け鋼と職人については、次回のコラムで、もう少し説明致します。
次回の第三回目は、蕎麦包丁のコラム?となります。
蕎麦庖丁?は、庖丁の大まかな材質と製法の説明。次回の蕎麦庖丁(2)は、庖丁の違いとまとめを解説したいと思います。
さて、蕎麦道具のコラム第二回目の今回は、蕎麦庖丁?です。
蕎麦庖丁で重要視されるのが、製作者の職人さんと鋼の材質の違いになります。
まずは、庖丁の鋼の違いについての説明を致します。
庖丁の鋼の大半は、島根県安来市の日立金属安来工場で、生産されています。JIS規格に比べて、更に不純物の少ない工場規格の鋼です。剃刀の刃で言えば、40%を超える世界シェアーを誇ります。蕎麦庖丁は、その中で、ステンレス製と鋼製の2種類があり、それぞれに1枚物鋼と付け鋼とに別れます。
『ステンレス製の1枚物鋼』は、鋼の中にクローム(Cr)を13〜15%入れる事により、錆びにくいと言う特徴があります。ただし、切れ味は鋼よりも少し切れ味が悪くなります。蕎麦庖丁の金額は5千円以下からと比較的安く、手入れも簡単な事から、初心者の方にお勧めをしております。ステンレスMV(ステンレスモリブデンヴァナジューム)は、サブゼロという製法で、ステンレスの錆びにくい特性を生かしつつ、1000度以上もの高温で焼きを入れた後、−70度前後で冷却を施すマルテンサイト化させたステンレス材です。錆びにくく、強靭な腰と鋭い切れ味を持ったステンレス鋼と言う特徴があります。蕎麦庖丁の金額は、1万円弱から2万円弱の価格帯で初心者から中級者までお勧めしております。
(写真:「ステンレス製の1枚物鋼の蕎麦庖丁 長さ300mm 重さ680g」価格帯が一番安い蕎麦庖丁です。切れ味と耐久性は、鋼製に比べて劣りますが、錆びにくい特徴があります。)
『ステンレス製の付け鋼』は、銀紙と呼ばれている鋼で、付け刃の包丁が持つ切れ味を保ちつつ、更にステンレス鋼の錆びにくい性質も持つ鋼です。軟鉄と硬鉄の二枚の鋼を一枚に鍛造することで、切れ味や耐久性に優れています。また、重さや包丁のバランスは職人さんの手によって製作するため、自由度が高いのも特徴です。蕎麦包丁の金額は、4万円以上の価格帯になりますが、手入れが楽な事から、蕎麦職人さんの方はもちろん、初心者の方にもお勧めしております。
『鋼製の1枚物』は、鋼の中でも一番安い鉄製の庖丁です。鋼の1枚物で、地金を鍛接せずに一枚の鋼材で鍛造や成型した鋼です。ステンレス鋼に代表される庖丁と同じ成型方法で、プレス機で打ち抜いてグラインダーで削って、仕上げ刃付けをした庖丁の事です。ステンレスMV鋼よりも切れ味が良く、耐久性も高くなるのが特徴ですが、ステンレスに比べると錆びが出やすくなる欠点もあります。蕎麦庖丁の金額は、1万円前後の価格帯で初心者から中級者までお勧めしております。
『鋼製の付け鋼』は、大まかに、黄紙・白紙・青紙に分かれます。鋼をなぜ紙に置き換えて呼ぶかと言いますと、出来あがった鋼は区別がつかなくなる為、職人さんが色紙を付けたのが由来です。黄紙に比べ白紙は、不純物のP(リン)やS(イオウ)の成分が減ります。更に青紙になるとCr(クローム)やW(タングステン)の成分が入りますので、後者になる程、耐久性と切れ味は増していきます。但し、あまり硬質になると欠け易くなる欠点も増します。付け鋼は、蕎麦職人で一番使われている程、切れ味と耐久性がすぐれているのが特徴です。
この付け鋼は、蕎麦庖丁を制作する職人によっても、切れ味と耐久性、庖丁のバランス、見た目すら変わってくるのも特徴の1つです。特に、鍛造で一本、一本を手作りで製作する付け鋼の蕎麦庖丁は、同じ紙質を使っていても、職人によって金額が数万円違ってくるのはこの為です。
鋼製の付け鋼と職人については、次回のコラムで、もう少し説明致します。
次回の第三回目は、蕎麦包丁のコラム?となります。
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