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麺棒の木材は、『麺棒について(1)』で記載した材木が良く使われます。
昔から当店では、桧材の麺棒がお蕎麦屋さんで良く使用されてきました。しかし、近年では金額が桧材よりも安く、さらに同じような重さで感触も近いヒノキ科のヒバ材も人気が上がってきました。

お蕎麦屋さんでは麺台の材質に合わせて同じ材質の麺棒を使用されるお店も多いですが、蕎麦粉の質感や堅さによって麺棒を使い分けるお店もあります。
例えばソバ殻の多い田舎そばには、重い麺棒の樫材や黒檀材等で大まかに伸ばして、最後の微妙な薄さの時に軽い麺棒の桧材やヒバ材を使用すると言った感じです。
蕎麦道具の全てに言える事ですが、麺棒の重さや材質は人それぞれで変わりますので、まずヒバ材から初めて御自分に合った麺棒を探してみるのも蕎麦打ちの楽しみの一つだと思います。

麺棒を購入されるお客様に多い質問で「以前にあの材質を使ったら曲がり易かったから曲がり難い材質が欲しい」というものがあります。
麺棒について(1)』の材質の説明でも記載しましたが、これは同じ材質でも乾燥具合や伐採した場所、麺棒を制作した職人さんで曲がり易くも曲がり難くもなります。

当店の同じ国産の桧材を使用した麺棒でも、2,500円でお売りできる物もあれば、9,000円でお売りする麺棒もあります。この金額の差は「高いほど曲がり難い麺棒になる」という事です。また、全て機械任せの麺棒よりは人間の手を加えて製作した麺棒の方が蕎麦の延し易さも全く異なります。
麺棒を購入する際は、材質に拘るのも重要ですが、購入するお店も大変重要である事も忘れてはいけません。少なくとも購入した後のメンテナンスや削り直しをしてくれるお店での購入をお勧め致します。

話は戻りますが、曲がり難い麺棒と言えば、鉄の麺棒を使われた方がいらっしゃいました。ステンレスの棒にテフロン加工をした中空の棒です。
これなら決して曲がる事はありませんし、テフロン加工で麺棒に蕎麦が付く事も無いと考えたからです。しかし、当店が薦めた材木の麺棒を使用してから鉄の麺棒は使用していないそうです。
手打ちそばの蕎麦は、加水量が多く鉄製では材質が硬すぎます。機械打ちの蕎麦は鉄の棒で延ばしますが、それは手打ち蕎麦とは加水量が異なる上、さらにつなぎの割合も圧倒的に多いため出来るのです。
それらのことから、鉄の麺棒では手打ち蕎麦を木材で延ばしたような優しい蕎麦を作る事は難しい様です。
また、テフロン加工とは言え蕎麦が棒に纏わりつく事があります。しかも、麺棒の滑りが良すぎて手の滑りが悪く、棒を押して延してしまう事も多々あります。
手打ち蕎麦を作るのでしたら、やはり木製の麺棒をお勧めします。

麺棒の手入れ方法
材木ですので水に濡れると狂い易い為、使い終わった後は麺棒に付いた蕎麦粉を濡れたタオルで拭き取ったのち、乾いたタオルで水気を拭き取って下さい。
麺棒で伸した際に蕎麦が巻きついてくる様であれば、おからを布で包んでシミ出た汁を麺棒に染み込ませて下さい。この作業を数十回繰り返してください。
(※これは数十回繰り返さないといけませんので、麺棒を直ぐに使用する際には不向きです。)
直ぐに使用する麺棒でしたら、くるみで磨いて下さい。
ただし、すでに液状になっているくるみ油は酸化していますので、出来るだけ無塩のくるみを潰して出てきた油で磨いて下さい。流布した後は、乾いたタオルで余分な汁や油は拭き取って下さい。べたべたの麺棒はかえって逆効果になります。
蕎麦が麺棒に絡まなければ何もしないのが、良いでしょう。
蕎麦粉や打ち粉を麺棒に擦り付けてから、蕎麦を伸し始めるのも効果的です。


最後に蕎麦道具選びで大切な事をまとめたいと思います。
?【腕前に合った道具の重要性】
10人いたら、10人が同じ商品を使いやすいとは限りません。個々の使いやすい商品を見つけて下さい。
?【費用対効果の重要性】
材質や見た目だけではなく、木材の産地や職人さん、過去の実績も重要な選ぶ要素となります。値段はそれに比例します。
?【アフターサービスの重要性】
道具は手入れがきちんとしていれば、長い間ご利用いただけます。手入れや、手直しをする事で、また愛着がわきます。購入したお店で手入れや修理をして貰いましょう。
当店では、他店で購入した商品でもお気軽に御相談下さいませ。
?【特注品の重要性】
自分だけのオリジナルのそば道具をオーダーするのも良いでしょう。使いやすく、愛着もでます。
コメント
いつも大変お世話になっております。


「麺棒」について、久しぶりの更新を興味深く読ませて頂きました。
とても勉強になり、このような文章を気軽にブログで読ませて頂ける事をとても嬉しく感じました。
有難うございます。

仲間内にもこの嬉しさをお裾分けしたいので
勝手ながら、私達のブログ江戸ソバリエ「石臼の会」、「気になるプロのブログ」というカテゴリから、こちらにリンクをはらせていただきました。
事後報告ではありますが、どうかお許しくださいますよう、お願い致します。

コメントありがとうございます。

こちらこそ、リンクを張って頂きありがとうございます。
蕎麦打ちに関連する事を少しづつになってしまいますが、書いていこうと思っています。今後とも宜しくお願い致します。
  • by 竹村よしあき
  • 2011/06/28 2:23 PM
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